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調査報告書について、第三者委で臨床心理士の佐藤由佳里利氏(左)と北翔大学・新川貴紀准教授(臨床心理学)が説明した=2024年10月25日午前11時33分、札幌市中央区、古畑航希撮影
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 道立高校の当時1年生の男子生徒が、4人の上級生から暴行や強制わいせつ行為などのいじめをうけたとして、北海道教育委員会の第三者委員会は25日、いじめ重大事態に認定したと発表した。いじめは生徒や教員などの前でも繰り返されたが、見過ごされていた。

 第三者委の調査報告書によると、男子生徒は22年4月に入学し、寮で暮らし始めた。6月ごろ、同じ寮に住む3年の男子上級生らから「死ね」などの暴言を吐かれるようになり、いじめは殴る蹴るといった暴行へとエスカレートしていった。9月には保護者があざを発見したものの、生徒が学校への通報を望まなかった。

 生徒は「(上級生の)最終登校日までの我慢と自分に言い聞かせ、学校教員や保護者に被害の訴えを行わずにいた」という。

 だが11月、寮内で上級生から肛門(こうもん)にドラムスティックなどを挿入され、他の生徒の前で動画撮影された。校内のトイレで逆さづりにされ、頭を床に打ち付け、けがをしたこともあった。生徒は12月、他の生徒の説得もあり、保護者を通じて学校へ被害を申し立てた。

 学校は校内調査で、いじめの…

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